【Third Culture Kids】サードカルチャーキッズとは

TCK

サードカルチャーキッズ(THIRD CURTURE KIDS)とは

このブログのタイトルにもなっている「TCK」すなわち「Third Culture Kids」とはいったいなんなのか、私の経験とデイビッド・C・ポロック+ルース=ヴァン・リーケン著の「サードカルチャーキッズー多文化の間で生きる子供たちー」をもとにシェアします。

サードカルチャーキッズ(『第三文化の子どもたち』以下、TCK)とは、両親の生まれた国の文化を第一文化、現在生活している国の文化を第二文化とし、この2つの文化のはざまで、発達段階のかなりの年数を特定の文化に属することなく、独自の生活文化を創造する子どもたちのことである。TCKはあらゆる文化と関係を結ぶが、どの文化も完全に自分のものではない。TCKの人生経験は彼らが関わったそれぞれの文化から取り入れた要素で成り立っているが、彼らが帰属意識を覚えられるのは同じような体験を持つ人々とのかかわりにおいてである。

第三文化の定義

「第三文化」とは二人の社会学者、ウシーム夫妻が1950年代につくった言葉です。彼らは当時、インドにおけるアメリカ人(軍人・宣教師・エンジニア・ビジネスマン・教育者・報道関係者)に関する研究をしていました。現地では他国出身の駐在員たちにも会い、やがてそれぞれの駐在コミュニティーには特徴があり、特有のスタイルや階層システムに相違はみられるもののすべてのコミュニティーは互いに緊密に絡み合っていることを発見します。この駐在員社会をより的確に表現するにあたり、ウシーム夫妻は両親の生まれた国の文化を第一文化、現在生活している国の文化を第二文化とし、この2つの文化のはざまの文化を「第三文化」と名付けました。

現在では、アダルトサードカルチャーキッズ(大人になったTCK、以下「ATCK」)に関する研究の中でウシーム博士は第三文化の定義を「ある一つの文化とは異なる文化とかかわる過程で人々が『創り、共有し、学習する』ライフスタイル、これを議論するのに用いる包括的な概念が『第三文化』である」としました。

さらに、TCKについては「親に伴って別の社会へ移動する子ども達」としました。

結構広い定義ですよね(笑)でも、この広がった定義の方が現実的で、もし、「他の者たちと共有する一つの生活様式」という文化の最も広義の定義を用いるなら、細かい相違点にもかかわらず、いろいろな国で育ったTCKは様々な文化に入り込み、あるいは囲まれて生活するというプロセスを経ることによって、TCKたちはお互いに類似した極めて重要な人生経験を、上辺の人格や文化的側面でなく、もっと深い部分で共鳴してしまうことに納得ができます。

TCKの共通点

わたしがこの本を読んでいて、共感できた共通点がいくつもあるのでシェアしていきます。TCKの方が「わかる~」となってくれればうれしいです。

・「文化が交差する」世界でそだつということ

異文化を観察・研究し、分析することとは違い、TCKには母国と駐在地を往復する生活を送っているという現実があります。さらに、駐在地が複数にわたる場合や、両親が国際結婚をしている場合には、接触する文化の数はもっと多くなるのです。私の場合、駐在当時は母幼くて国である日本は「帰る」場所ではなく「行く」場所という感覚で、駐在地の家が「帰る場所」でした。まさに交差した文化のはざまで生活していたと思います。(;´・ω・)

・移動の多い世界で育つということ

第三文化を経験するということは、すなわち移動の生活を送ることを意味します。TCK自身はもちろん、周りの人も常に移動生活を送っています。TCKのなかの登場人物が常に変わっていくのと同様に、周りの物理的環境も変化するのです。

・明らかな相違

TCKは多くの場合、周りの人たちと外見的に異なる環境で育ちますが、その違いがTCKのアイディンティティーの主要な要素となります。また、自国文化のいずれにおいても、外見的には似ていながら世界観が同世代の子どもたちとは大きく異なるのも特徴です。つまり、母国に帰ってきても同世代の子どもたちとTCKでは価値観やものの見方がすでに違っちゃってるんですよね。

・早晩の帰国

移民と違い、第三文化の中で生活する家族の多くは、早晩母国に帰国することを予定している。私も海外からの帰国したのは6歳の時でした。早晩中の早晩です(*’ω’*)

・特権的な生活

国際ビジネスマン・宣教師・軍人関係者・外交官はおしなべて中級~エリート階級に属しており、所属する組織だけではなく現地の社会からもさまざまな恩恵を受けています。物資的なサポートを受けることは当たり前。軍事関係者ともなれば駐屯地内にショッピングセンターや学校があり、大使館関係者や国際ビジネスマン、宣教師にも独自の居住エリアがあり、メイドさんやドライバーさんを雇うのは(セキュリティー上においても)ごく普通のことなのです。

。根無し草感

「どの文化も完全に自分のものではない」例えば私は4歳の誕生日にインドネシアに渡って5歳でフィリピンに移動し、6歳で日本に帰国し普通の日本人として学校に通い大学院を卒業しました。でも、大人になった今でさえそれぞれの文化はダンスのようで踊ることを忘れられないのです。例えばフィリピンのフレッシュカラマンシージュースやインドネシアのナシパダンを飲んだり食べたりしたいとか。経験したものすべてがそろう場所などないのはわかっていても追い求めるのをやめられないんですよね。子供のころはインドで育ったオーストラリア人アレックスの詩にすごく共感していました。

僕は
文化的アイディンティティーが混乱した人間
誰にも似てない僕
良いことだと思う
僕にはわかるから
旅人の気持ち、一時滞在者の気持ち、外国人の気持ち
彼らを襲う
ホームシック
悪いことだとも思う
誰もわかってくれない
僕のこと
一つの場所で育った人間にはわからない
そんな人には本当のホームシックなんて
折にふれて襲うホームシックなんて
理解できない
ときどき僕には彼らが理解できない
僕は
ぽつんと海に浮かぶ孤島であり
ミニ国連でもある
本当の僕は
神のみぞ知る

「誰にも似てない僕」アレックス=グラハム・ジェームズ

TCKは普通の子ども

ここまで書くと、TCKは普通の子どもなのかと思ってしまうかもしれませんが、「普通の子ども」です。TCKは、常に自分は主流文化に属する子どもとは違うと感じ、それゆえに自分は(違位に気づいた周りの人たちも)本質的に異端児だと思い込んでしまうことが多いですが、実際は周りとは違った経験をしていても愛し愛される、理解し理解される普通の子どもです。また、そういった健全な人間関係を築くことはTCKにとっても大切なことなのです。人生の意味や目的を模索することも重要なことであり、TCKには考える、学ぶ、想像する、選択するといった能力も他の子どもたちと同様に備わっています。TCKの特徴の中の利点や難点は成長過程における移動生活や異文化生活の影響によるものであり、人間としての基盤が違うからではないのです。

おわりに

今回は、このブログのタイトルにもなっている「TCK」すなわち「Third Culture Kids」とはいったいなんなのか、私の経験とデイビッド・C・ポロック+ルース=ヴァン・リーケン著の「サードカルチャーキッズー多文化の間で生きる子供たちー」をもとにシェアしました。伝えたかったのは、TCKとは文化的に移動を経験したこどもでちょっと変わってるけど普通の子どもであることです。TCKの抱える利点や難点、大人になって訪れる悲観などはまた別の記事にしたいと思います(*’ω’*)

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